すべての想いは君とふたりで

次の日の朝、わたしはいつも通り玄関まで律樹さんをお見送りに行った。

これが最後のお見送りになる。

「行ってきます。」
「、、、いってらっしゃい。」

わたしはそう言いながら、涙を流した。

律樹さんは親指でわたしの涙を拭うと、わたしを抱き寄せて「帰って来たら、花さんは居ないんですね、、、。」と呟き、それから「きちんと、"やまと"さんに気持ちを伝えるんですよ?」と言った。

「はい、、、。」
「頑張ってください。花さんも、いってらっしゃい。」

そう言うと、律樹さんはわたしを離し、「それじゃあ、、、行ってきます。」と微笑むと、玄関から出て行ってしまった。

わたしはその場に座り込むと、しばらく涙を流し続けた。

律樹さん、ごめんなさい、、、

律樹さん、ありがとうございます、、、

わたしは最後に部屋の掃除をし、洗濯も済ませ、律樹さんが帰って来てから食べれるよう最後の夕食を作り、冷蔵庫に入れると、家を出る準備をした。

何だかんだで時刻は、午後4時。

わたしはとりあえず最低限の物だけを詰めたバッグを片手に、律樹さんと生活を共にしてきたマンションをあとにした。

そして、翔くんに連れて行ってもらい、一度だけ訪れた大和の家を徒歩で目指したのだった。

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