すべての想いは君とふたりで
その日の夜、分かってはいたことだが、パパから怒りの電話がかかってきた。
婚約破棄のことを律樹さんから聞いたのだろう。
「今すぐ律樹くんのところに戻りなさい!」
そう言われたが、わたしは「戻らない。これは、ちゃんと律樹さんと話し合った上で決めたことだから。」と言った。
すると、話し合いの為に今すぐ家に帰って来るように言われ、わたしは大和と共に実家へ帰った。
実家のインターホンを押すと、先に出てきたのはパパだった。
そして、大和の姿を見ると、「何で君が一緒に居るんだ!」と怒り狂っていた。
「君のことは呼んでいない!帰りなさい!」
「パパ、わたしは大和と一緒に居たいの。大和に帰れって言うなら、わたしも帰る。」
「何言ってるんだ!お前は、律樹くんと婚約してるんだぞ?!」
「それはパパが勝手に決めた婚約でしょ?」
玄関でパパとわたしが言い合いをしていると、奥から「お父様。」と呼ぶ声がした。
その声を聞き、ハッとするわたし。
パパの肩越しに見えた声の主は、律樹さんだった。
「律樹さん、、、来てたんですか?」
「はい、話し合いをするなら、僕も居た方がいいと思いまして、お邪魔させていただきました。」
律樹さんはそう言うと、パパに向かって「話し合いをするなら、その方もご一緒の方が宜しいんじゃないでしょうか。」と言い、パパは渋々、大和も一緒に家の中へ入れてくれた。