〜Midnight Eden〜 episode5.【雪華】
東京で生まれ育った者も地方出身の者も、東京と聞いて思い浮かべる風景のひとつにレインボーブリッジがある。
東京のシンボルと言っても過言ではないレインボーブリッジは、文字通り虹の橋の意味を持つ。しかしレインボーブリッジは常にその身を虹色に輝かせているのではない。
レインボーブリッジのライトアップの色は季節やイベントによって異なる。主塔の色は夏期は涼しげな白色、冬季は温かみのある白色と決められ、ケーブルイルミネーションは緑や青、ピンクと季節の催しごとに変化を見せ、人々を楽しませるのだ。
虹の橋の名をつけられながらも、レインボーブリッジが虹色に彩られる期間は12月から年明けまでのわずか1ヶ月。
通常は24時の消灯時間も22日から24日までのクリスマスシーズンと大晦日は、ライトアップ時間が日の出まで延長される。
薄曇りの夜空から黄金の満月が時たま覗く。まばゆい光に照らされたレインボーブリッジは月に繋がる橋のようだ。
今宵は夜更かしが許された虹の橋のたもとで、煙が揺れた。暗闇を蠢く影が二つ、向かい合って地面に伸びている。
『車の用意が整いました。タイヤもスタッドレスですよ。最低限の必要な物も運び込んであります』
『面倒かけたな。サツの動きはどうだ?』
煙の発生源は木崎愁が咥える煙草だ。彼は煙草を口に咥えたまま、日浦一真が差し出した車の鍵を受け取った。
『公安の古いツテに探りを入れましたが、捜査本部の見解も木崎さんが神奈川で入水した方向に傾いています。今は俺の監視も解かれていますよ。まさかあなたが東京に戻って来ているとは警察も思っていません』
『このクソ寒い時期に海に入る趣味はねぇよ』
『そうは言っても、わざと海で死んだと思わせるために車を捨ててきたんですよね。やはり策士ですよ』
紫煙に目を細める愁の横に並ぶ日浦も自分の煙草を咥えて火を灯した。
東京のシンボルと言っても過言ではないレインボーブリッジは、文字通り虹の橋の意味を持つ。しかしレインボーブリッジは常にその身を虹色に輝かせているのではない。
レインボーブリッジのライトアップの色は季節やイベントによって異なる。主塔の色は夏期は涼しげな白色、冬季は温かみのある白色と決められ、ケーブルイルミネーションは緑や青、ピンクと季節の催しごとに変化を見せ、人々を楽しませるのだ。
虹の橋の名をつけられながらも、レインボーブリッジが虹色に彩られる期間は12月から年明けまでのわずか1ヶ月。
通常は24時の消灯時間も22日から24日までのクリスマスシーズンと大晦日は、ライトアップ時間が日の出まで延長される。
薄曇りの夜空から黄金の満月が時たま覗く。まばゆい光に照らされたレインボーブリッジは月に繋がる橋のようだ。
今宵は夜更かしが許された虹の橋のたもとで、煙が揺れた。暗闇を蠢く影が二つ、向かい合って地面に伸びている。
『車の用意が整いました。タイヤもスタッドレスですよ。最低限の必要な物も運び込んであります』
『面倒かけたな。サツの動きはどうだ?』
煙の発生源は木崎愁が咥える煙草だ。彼は煙草を口に咥えたまま、日浦一真が差し出した車の鍵を受け取った。
『公安の古いツテに探りを入れましたが、捜査本部の見解も木崎さんが神奈川で入水した方向に傾いています。今は俺の監視も解かれていますよ。まさかあなたが東京に戻って来ているとは警察も思っていません』
『このクソ寒い時期に海に入る趣味はねぇよ』
『そうは言っても、わざと海で死んだと思わせるために車を捨ててきたんですよね。やはり策士ですよ』
紫煙に目を細める愁の横に並ぶ日浦も自分の煙草を咥えて火を灯した。