〜Midnight Eden〜 episode5.【雪華】
事件の発端は先月22日月曜日、荒川区内の小学校の通学路で、ひとりで下校中の小学一年生の女子児童が通りすがりの男にスカートの裾を切られた。
二件目の犯行は1週間後の10月29日月曜日。北区の中学一年生が、同じように通りすがりの男に服の上から腕を切られた。
三件目もやはり月曜日の11月5日。被害者は文京区の小学三年生。そして今日、一件目と同じ荒川区で四件目の犯行が起きた。
過去三件はいずれも女子児童がひとりで下校中に、通りすがりの男に切りつけられている。犯行時間は14時台や15時台、17時台とバラバラではあるが、小学生と中学生の下校の時間帯だ。
一件目と三件目の被害者は男に服や足を切られた恐怖で放心状態となり、二人とも犯人の顔は覚えていなかった。
二件目の被害者の女子中学生は犯人は若い男で、服装は上半身が黒のパーカー、下半身はスエット。
パーカーのフードを被っていたことは記憶していても、どの被害者も切りつけの精神的なショックで記憶が曖昧となり、似顔絵やモンタージュが作れるほどの手がかりは得られなかった。
警察は地域のパトロールを強化。月曜日の切り裂きジャック対策本部のメンバー以外にも各警察署の生活安全課と、刑事課で手が空いている刑事達も月曜日の下校時間帯には都内の小中学校の通学路を見回り、不審者の出現に目を光らせている。
東京都内すべての小学校に月曜日の集団下校を呼び掛け、中学生には月曜日はなるべく二人以上で下校するよう、中学校側に生徒への指導を要請。
先月末から都内の多くの小中学校で、月曜日を集団下校とする対策がとられていた。
美夜と九条が所属する小山班は月曜日の切り裂きジャック対策本部に加わってはいない。
だが、現在抱えている案件がない美夜達もこうしてパトロールに出ていた。割り当てられた地域は墨田区だったが、月曜日の切り裂きジャックは隣の荒川区に出現した。
「集団下校の盲点は、それぞれの家に帰る時は必ずひとりになる点よね。付き添いの保護者や地域のボランティアも、すべての児童の帰宅を最後まで見守れるわけじゃない」
『犯人はそこを狙ってやがるよな』
学校側が集団下校の対策をしても、警察がパトロールを強化しても防げなかった四件目の犯行。
荒川区、北区、文京区、そしてまた荒川区……四件とも被害が城北エリアに集中している。
一度犯行を行った区域での二度目の犯行はないと言い切った犯罪心理学のプロファイリングも、今回の事件が一件目と同様の荒川区だったことで覆された。
『21世紀の切り裂きジャックの模倣犯じゃないかって説、どう思う?』
「有り得ない話ではないかな。ひとりがやれば次は三人が真似る。人から人へ、悪事は感染する。テレビもSNSも、春はあの事件の話題で持ちきりだった。事件を知った人間が触発されて同じような犯行を犯しても不思議ではないよ」
今年の3月から4月にかけて起きたデリヘル嬢連続殺人事件の犯人は、マスコミやSNS上では21世紀の切り裂きジャックと呼ばれ、一部の人間に持て囃《はや》されていた。
女児連続切りつけ魔である月曜日の切り裂きジャックの呼び名は、犯行の性質の類似性から21世紀の切り裂きジャックが起源だ。
二件目の犯行は1週間後の10月29日月曜日。北区の中学一年生が、同じように通りすがりの男に服の上から腕を切られた。
三件目もやはり月曜日の11月5日。被害者は文京区の小学三年生。そして今日、一件目と同じ荒川区で四件目の犯行が起きた。
過去三件はいずれも女子児童がひとりで下校中に、通りすがりの男に切りつけられている。犯行時間は14時台や15時台、17時台とバラバラではあるが、小学生と中学生の下校の時間帯だ。
一件目と三件目の被害者は男に服や足を切られた恐怖で放心状態となり、二人とも犯人の顔は覚えていなかった。
二件目の被害者の女子中学生は犯人は若い男で、服装は上半身が黒のパーカー、下半身はスエット。
パーカーのフードを被っていたことは記憶していても、どの被害者も切りつけの精神的なショックで記憶が曖昧となり、似顔絵やモンタージュが作れるほどの手がかりは得られなかった。
警察は地域のパトロールを強化。月曜日の切り裂きジャック対策本部のメンバー以外にも各警察署の生活安全課と、刑事課で手が空いている刑事達も月曜日の下校時間帯には都内の小中学校の通学路を見回り、不審者の出現に目を光らせている。
東京都内すべての小学校に月曜日の集団下校を呼び掛け、中学生には月曜日はなるべく二人以上で下校するよう、中学校側に生徒への指導を要請。
先月末から都内の多くの小中学校で、月曜日を集団下校とする対策がとられていた。
美夜と九条が所属する小山班は月曜日の切り裂きジャック対策本部に加わってはいない。
だが、現在抱えている案件がない美夜達もこうしてパトロールに出ていた。割り当てられた地域は墨田区だったが、月曜日の切り裂きジャックは隣の荒川区に出現した。
「集団下校の盲点は、それぞれの家に帰る時は必ずひとりになる点よね。付き添いの保護者や地域のボランティアも、すべての児童の帰宅を最後まで見守れるわけじゃない」
『犯人はそこを狙ってやがるよな』
学校側が集団下校の対策をしても、警察がパトロールを強化しても防げなかった四件目の犯行。
荒川区、北区、文京区、そしてまた荒川区……四件とも被害が城北エリアに集中している。
一度犯行を行った区域での二度目の犯行はないと言い切った犯罪心理学のプロファイリングも、今回の事件が一件目と同様の荒川区だったことで覆された。
『21世紀の切り裂きジャックの模倣犯じゃないかって説、どう思う?』
「有り得ない話ではないかな。ひとりがやれば次は三人が真似る。人から人へ、悪事は感染する。テレビもSNSも、春はあの事件の話題で持ちきりだった。事件を知った人間が触発されて同じような犯行を犯しても不思議ではないよ」
今年の3月から4月にかけて起きたデリヘル嬢連続殺人事件の犯人は、マスコミやSNS上では21世紀の切り裂きジャックと呼ばれ、一部の人間に持て囃《はや》されていた。
女児連続切りつけ魔である月曜日の切り裂きジャックの呼び名は、犯行の性質の類似性から21世紀の切り裂きジャックが起源だ。