パーフェクト・フィグ
何故こんな言葉が出たのか、
直後の雅俊にもわからなかった。
嫌じゃなければな、と
付け加える前に、
すみれが目を輝かせて見上げてきた。
「すぐ終わらせてくる!」
カレーというワードが余程
すみれに刺さったのだろう。
それとも、まともな食事が
無料で食べられることへの喜びだろうか。
雅俊はその反応に
自分の咄嗟な発言を後悔した。
「…何するんだ」
「たぶん感染だからデブリする、予定」
感染した部分を摘出する、という意味だろう。
そんな長時間かかる手術ではなさそうだ。
「そうか…」
「…」
じゃ、と言って雅俊は自分の家のドアに向かった。
どうせカレーはいつも作りすぎる。
手間がかかるものでもない。
そう思うことで自分の発言を正当化すること
ばかりを考えている自分が、
一番不思議だった。