青の葉の、向かう明日。
2

聖夜の、嘘。

12月25日。

世間はクリスマス。

スマホの向こうの配信者たちは愉快に肩を並べて踊ってる。

あたしは…

暗がりの中。

きっともう見られない夢の先を見ている。


「めい〜!夕飯出来たわよ〜!今日は明の好きなチキン用意したんだから!」

「クリスマスくらい一緒に食べような〜」


下から両親が呼んでいるのが聞こえる。

でも、あたしはひたすらに無視。

そのうち類(あたしの妹)に「お姉ちゃんなんかほっといて食べよう」と言われるのを待ってる。

時計の針が半周したところで愉快な食器の音が聞こえて来た。

ようやく食べ始まったようだ。

あたしはというと、ベッドに横になったまま。

階段を転げ落ちて右腕を折ってどうにか治って不登校決め込んでそのまま冬休みに突入して、寝てる。

ショート動画も見飽きたし、

ドラマの再放送なんて興味ないし、

受験は…どうでもいいし、

やること、ないんだ。

あたし、全部失っちゃったから。

あの日、あの時、あの場所で。

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