青の葉の、向かう明日。
あたしの話をただ黙って聞いていた彼の視線がこちらに向くのが分かった。

焼けるようにジリジリと痛む。


「…分かった。あとなんとなく、アンタのことも、分かった。たぶんこのことに関してはこれ以上聞かない方がいいよね?俺は…アンタの口から出てこの耳で確かに聞いた言葉を信じる」

「…信じてくれるなら、ありがとう」


あたしがそう言うと、彼はふーっと息を吐いた。

あたしも真似て深呼吸をすると、ランタンに火が灯った時のように心がぽおっと温かくなった。

けれど、手足は真冬の北風にさらされ、冷たいまま。

早く終わらせて帰りたいなんて思っていると、彼が再び口を開いた。


「じゃあ、最後にこれだけ聞かせて」


たぶん…あのこと、だ。


「ユウヅキサクラをいつから知ってる?」


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