青の葉の、向かう明日。
ふふ。
やっぱり。
口角が無意識にくいっと上がってしまったのが自分でもわかったけど、ニヤけている場合ではない。
ちゃんと答えなくては。
ぴゅーっと風が吹き、木々を揺らす。
あたしは誰も乗っていない遠くのブランコを眺めながら話し出した。
「中1の時から。小説投稿サイトにブログを載せ始めた最初の日から知ってる。学校のこととか書いてたし、授業の内容から考えて同い年だなってすぐ分かった」
「じゃあ、それがどうしておれだって…」
「それを君が聞く?君だって分かるでしょう?てかそれで分かってたはず。あたしの脚本が有の小説のパクリだって」
ちらっと視線を向けると彼は目を伏せた。
やはりそうだったんだ。
気づいていたんだ。
だと思ってた。
だから、この作戦に賭けたんだ。
君が有の作品だって気づいて
力になってあげて
2人の距離が近づいて、
そして…。
そんなシナリオを考えていたんだ、
このあたしが。
あたしは続けた。
「同じような内容が世の中にいっぱいあっても、この人の作品だって分かるような特徴ってあるんだよ。君の場合は句読点の代わりにスペースを多用してた。いかにも著名な作家を読んできたんだろうなっていう小難しい表現もいっぱいだった。すぐ脳に記憶出来たよ。だからさ、現代文の授業で小説の感想を書きなさいってのがあったじゃん。面白い感想を先生が選んで、筆跡でバレないようにわざわざ先生が打ち直してコピーしたやつを皆に配って。それに目を通した時ね、一発で分かった。この中にユウヅキサクラがいるって。それから誰なのか絞るのに時間かかっちゃって、結局最後は教科委員の特権てことで他言無用を条件に先生から聞いちゃったんだけど。それで君に辿り着いた。長かったよ。分かったのが一昨年の冬頃だったから、君を知ってから3年半くらいかかったのかぁ。でも、見つけたよ。ユウヅキサクラ…ううん、清澄朔くん」
やっぱり。
口角が無意識にくいっと上がってしまったのが自分でもわかったけど、ニヤけている場合ではない。
ちゃんと答えなくては。
ぴゅーっと風が吹き、木々を揺らす。
あたしは誰も乗っていない遠くのブランコを眺めながら話し出した。
「中1の時から。小説投稿サイトにブログを載せ始めた最初の日から知ってる。学校のこととか書いてたし、授業の内容から考えて同い年だなってすぐ分かった」
「じゃあ、それがどうしておれだって…」
「それを君が聞く?君だって分かるでしょう?てかそれで分かってたはず。あたしの脚本が有の小説のパクリだって」
ちらっと視線を向けると彼は目を伏せた。
やはりそうだったんだ。
気づいていたんだ。
だと思ってた。
だから、この作戦に賭けたんだ。
君が有の作品だって気づいて
力になってあげて
2人の距離が近づいて、
そして…。
そんなシナリオを考えていたんだ、
このあたしが。
あたしは続けた。
「同じような内容が世の中にいっぱいあっても、この人の作品だって分かるような特徴ってあるんだよ。君の場合は句読点の代わりにスペースを多用してた。いかにも著名な作家を読んできたんだろうなっていう小難しい表現もいっぱいだった。すぐ脳に記憶出来たよ。だからさ、現代文の授業で小説の感想を書きなさいってのがあったじゃん。面白い感想を先生が選んで、筆跡でバレないようにわざわざ先生が打ち直してコピーしたやつを皆に配って。それに目を通した時ね、一発で分かった。この中にユウヅキサクラがいるって。それから誰なのか絞るのに時間かかっちゃって、結局最後は教科委員の特権てことで他言無用を条件に先生から聞いちゃったんだけど。それで君に辿り着いた。長かったよ。分かったのが一昨年の冬頃だったから、君を知ってから3年半くらいかかったのかぁ。でも、見つけたよ。ユウヅキサクラ…ううん、清澄朔くん」