青の葉の、向かう明日。
3

日だまりの、隣で

聖なる夜の出来事です。

自分の好きな人に好きだと言ってもらえて、私は本当に嬉しかった。

だけど、脳裏に彼の顔が浮かんでくる。

声が聞こえてくる。

優しい声音、

温かな眼差し、

安心する体温。

事件の後、毎日が辛くて苦しくて不安で胸がいっぱいだった私の傍にいてくれて、私の心にずっと温もりを与えてくれていたのは、間違いなく彼…清澄くんだった。

好きだって言ってもらえて、晴くんの時と同じくらい嬉しかったのに、私は与えてもらうばかりで返すことが出来ていない。

清澄くんの気持ちに応えることが何よりの恩返しなのかもしれないけれど、それはやはり…出来ない。

私は晴くんの隣にいたいから。

幼い頃からずっとずっと大好きな気持ちは変わらないから。

なら、どうすればいい?

どうすれば清澄くんは笑ってくれる?

なんて考えているうちに冬休みは明けてしまった。

< 35 / 70 >

この作品をシェア

pagetop