青の葉の、向かう明日。
それから数日が経ったある日、

12月25日のやり取りから更新されていなかった画面に新着メッセージが届いた。


ーー大学合格したってわざわざ連絡くれる有の彼氏はやっぱりどうかしてると思う。

ーーちなみに俺も今日合格したよ。

ーーこれでやっと安心して卒業出来るね。


卒業、かぁ。

添付されてきた写真がなぜかムスッとしてる清澄くんを見ながらそのワードで頭を抱える。

卒業したら、本当にもう会えなくなる。

取り返しがつかないことになる。

…明ちゃん。

今だにどこで何をしているのか、知らない。

手にある電子機器だけで聞き出せるのに、勇気がなくて出来ない。

たとえ聞けたとしても私はちゃんと目を合わせて話がしたい。

ごめんなさいも

ありがとうも

ちゃんと伝えたい。

そして、もう一度

友達になってほしい。

伝えられるのは卒業式の日がラストチャンス。

それまでに私は伝えたいこととか自分の気持ちを書き出して自分の言葉で伝えられるようにしないと。

今の私なら出来る。

自分を信じられる。

明ちゃんに与えられた試練で私前より成長出来たよ。

だから、伝えさせてほしい。

卒業式、必ず伝えるから。

待ってて、明ちゃん。


私は余っていたノートを取り出し、頭の中のあれこれを書き出した。

踏み出した先には光があると信じて。
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