青の葉の、向かう明日。
教室に到着すると清々しい春風が私を出迎えた。

窓際の1番後ろの席に腰掛け、長い髪を靡かせている女子生徒が視界に入った。


「明ちゃん」


私の声にぴくりと反応したその子は立ち上がり、こちらに向かって歩き出した。

だんだんと2人の間の距離が近づき、

交わった。


「有、ごめん。本当に…ごめんなさい」

「ううん。私こそごめんね。明ちゃんが悩んでたのに気づいてあげられなくて、結果的にあんなに追い詰めちゃって…ごめん」


お互いに涙声で聞き取りづらいところもあったけど、

抱き締めあったから、

お互いの熱が伝わったから、

分かる。

私たちはお互いを許したんだ。

間違いは誰にでもある。

それをいちいち叩き合っていたのでは人間関係ってうまくいかない。

互いに大事に想えば想うほどに傷つけたくなくて強がって嘘をつく。

それを分かっているはずなのに、なぜだかうまくいさないことばかり。

でも、きっと本当は分かっているから、

お互いの気持ちさえ確かならば、

また交われるんだ。

今回は変に遠回りしただけ。

お互いにプライドとか考えすぎていろいろ溜め込んでしまった感情が邪魔をして、簡単な言葉を見失ってしまっただけだ。

だから、ここからはシンプルに行こう。

過ぎた時間はもう戻らないのだから、

これ以上無駄には出来ないから、

失った分長く一緒にいたいから…。


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