青の葉の、向かう明日。

未来へ、ここから。

卒業式当日。

あたしは残された課題をやり遂げるため、いつもより頑張ってみた。

朝いつもより早く起きて家族の分のパンを焼いた。

クセのないストレートなロングヘアを巻いてみた。

母のチークがいつも気に食わなかったから、取り返しがつかなくなる前に手伝ってあげた。

父の革靴を磨いてあげた。

最後の登校途中に迷子になっていたおばあさんをバス停まで案内した。

不快な気持ちにさせないよう、クラスで最後に登校し、最初に帰宅した。

1日の終わりにあたしはこう思った。

あたしのまま生きよう。

常に7割の力で生き、たまにちょっぴりがんばってみる。

それで変わる未来もありそうだと。

その可能性に賭けてみよう、と。

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