王子様のないしょ話 ~僕は初恋の彼女を溺愛する~
「そんなわけで、うちは別に貧乏じゃあないの」

ムスっとしている船長(上司)を気にせずに、元シンデレラが続ける。

「王家にそんなにお金が足りないなら、少し持参金に持っていく?」

「そんなわけには…」

「駄目よ!」
僕の言葉を遮って、妻が叫ぶ。

「あなたが苦労して貯めたお金よ。あなたが使うか、でなきゃ両親の老後のための貯えにとっておかなきゃ!」

「でも……」

 そこで、妻がすすす……と僕に寄り添ってきて、ドキッとする。

「それに、私は王子様がいれば、ドレスも宝石も、贅沢な食事も必要ないの。王子様のそばにいられさえすれば……」

 そう言って、上目遣いで潤んだ瞳に僕を映す……。
 僕の好きな、翡翠の色の瞳に……。
< 43 / 48 >

この作品をシェア

pagetop