外商部御曹司は先輩彼女に最上級のロマンスを提供する
的確な指摘、つい目の下を覆う。
「疲れてないよ。え、えっと、そう! 遅くまで予習してたの! セトリとか!」
「ーーそうなんですね」
やや間があっての頷きだが、それ以上聞いてこない。代わりに見上げて呟く。
「本当に人気なんですね、Crockettって」
「彼等がメディアに出ない日はないよ。チケットを貰ったって言ってたけど、その方は観られなくて残念だね?」
「俺が観に来たと言えば喜ぶと思いますが」
ふいに目が合う。
「深山先輩はアイドルと恋愛できるとしたらしたいですか?」
そんな脈略の無い質問に瞬き、肩を竦めた。
「あのね、わたしは亮太推しだけど恋人になりたいとか、そういうんじゃなくて日々の癒しを彼から得てるだけ」
「癒し……恋人にならなくても満足するんですか?」
言い回しでピンッとくる。彼は欲しいと願った物は大抵入手してきたのだろう。こと恋愛においては、気持ちが通じ合わなかった経験がないに違いない。
「うん、満足。お酒飲みながらドラマを鑑賞したり、仕事で失敗した日とかは歌声に励まされたり日常の一部みたいなもの、かな。
花岡君には遠くから眺めているだけで幸せになれる対象は居ないの? 憧れの人、みたいな?」
質問を返すと今度はあちらが瞬く。ふむ、顎を落として考える仕草まで絵になるのがにくい。
「俺は眺めているだけだと物足りないです。たとえ相手がアイドルや憧れの人であろうと、その人の特別になりたいから」
「疲れてないよ。え、えっと、そう! 遅くまで予習してたの! セトリとか!」
「ーーそうなんですね」
やや間があっての頷きだが、それ以上聞いてこない。代わりに見上げて呟く。
「本当に人気なんですね、Crockettって」
「彼等がメディアに出ない日はないよ。チケットを貰ったって言ってたけど、その方は観られなくて残念だね?」
「俺が観に来たと言えば喜ぶと思いますが」
ふいに目が合う。
「深山先輩はアイドルと恋愛できるとしたらしたいですか?」
そんな脈略の無い質問に瞬き、肩を竦めた。
「あのね、わたしは亮太推しだけど恋人になりたいとか、そういうんじゃなくて日々の癒しを彼から得てるだけ」
「癒し……恋人にならなくても満足するんですか?」
言い回しでピンッとくる。彼は欲しいと願った物は大抵入手してきたのだろう。こと恋愛においては、気持ちが通じ合わなかった経験がないに違いない。
「うん、満足。お酒飲みながらドラマを鑑賞したり、仕事で失敗した日とかは歌声に励まされたり日常の一部みたいなもの、かな。
花岡君には遠くから眺めているだけで幸せになれる対象は居ないの? 憧れの人、みたいな?」
質問を返すと今度はあちらが瞬く。ふむ、顎を落として考える仕草まで絵になるのがにくい。
「俺は眺めているだけだと物足りないです。たとえ相手がアイドルや憧れの人であろうと、その人の特別になりたいから」