外商部御曹司は先輩彼女に最上級のロマンスを提供する
「少し調べ物をしたいのと」
意味深に口角を緩める。
「真琴さんの部屋にお邪魔したら身体を休ませられないですし」
再び自然に抱き寄せ、つむじへキスした。
「この件が無事終わった時、頭から爪先まで丸ごと存分に頂きます」
「お、美味しくないかもよ?」
「あなたを美味しくないなんて感じる舌を持ち合わせてませんよ。さぁ、食べられてしまう前に帰って下さい」
言うとわたしからストールを外し、代わりに上着をかけてきた。
「俺が1人じゃないと思えるように貸して下さい」
「貸すも何も花岡君のものでしょう? あ、そういえばストールを返金したくて亮太さんと約束していたの!」
途端、顔をしかめる花岡君。
「へぇ、兄と約束ですか?」
「勘違いしないで! そういうのじゃないの!」
「そういうのがどういうのか存じませんが、兄を亮太と呼ぶのに俺は苗字で呼ばれるのは納得いきませんね」
「そ、そこ? 気にする?」
「えぇ、とても重大な事ですよ。今後は一樹と呼んでください。さっそく呼んでみましょうか!」
はい、どうぞとマイクに見立てた拳を口元へ寄せられた。
彼の言い分はもっともであるが、わたしはなかなか切り替えられない。
「俺の名前呼ぶの、嫌です?」
「そうじゃない! か、かず、花岡君みたく慣れてないの。急に恋人っぽくなれないよ」
(いけない、この1言で彼の恋愛経験とか歴代の彼女等を詮索してしまう)
「……」
花岡君の沈黙が痛い。
「花岡君を周りの女性が放っておくはずない。それからご令嬢との縁談話があるんでしょう?」
意味深に口角を緩める。
「真琴さんの部屋にお邪魔したら身体を休ませられないですし」
再び自然に抱き寄せ、つむじへキスした。
「この件が無事終わった時、頭から爪先まで丸ごと存分に頂きます」
「お、美味しくないかもよ?」
「あなたを美味しくないなんて感じる舌を持ち合わせてませんよ。さぁ、食べられてしまう前に帰って下さい」
言うとわたしからストールを外し、代わりに上着をかけてきた。
「俺が1人じゃないと思えるように貸して下さい」
「貸すも何も花岡君のものでしょう? あ、そういえばストールを返金したくて亮太さんと約束していたの!」
途端、顔をしかめる花岡君。
「へぇ、兄と約束ですか?」
「勘違いしないで! そういうのじゃないの!」
「そういうのがどういうのか存じませんが、兄を亮太と呼ぶのに俺は苗字で呼ばれるのは納得いきませんね」
「そ、そこ? 気にする?」
「えぇ、とても重大な事ですよ。今後は一樹と呼んでください。さっそく呼んでみましょうか!」
はい、どうぞとマイクに見立てた拳を口元へ寄せられた。
彼の言い分はもっともであるが、わたしはなかなか切り替えられない。
「俺の名前呼ぶの、嫌です?」
「そうじゃない! か、かず、花岡君みたく慣れてないの。急に恋人っぽくなれないよ」
(いけない、この1言で彼の恋愛経験とか歴代の彼女等を詮索してしまう)
「……」
花岡君の沈黙が痛い。
「花岡君を周りの女性が放っておくはずない。それからご令嬢との縁談話があるんでしょう?」