落ちこぼれ悪魔の扱い方
与崎は硬い顔で美弥を見ていたが、糸が解けるように笑顔を浮かべた。
「お前にも、多少は父親思いのところがあったんだな」
「そんなわけないよ。普通に自分のためだし」
美弥が否定すると、与崎は「いや、本当は自分のためだけじゃなかったんじゃね?」と疑惑的な瞳を美弥に向ける。
「おかしいと思ってたんだよ。自分の手で復讐することに固執して、急に『自首するつもり』とか言い出すから。
自分の保身のためだったら、普通そんな思考に走らないだろ」
「それは……そうかも」
「な? 潜在的にはやっぱり父親のこと好きだったんだよ、多分」
潜在的、か。
「そういうのも含めて自分を理解したいから、与崎も手伝ってくれるよね?」
与崎は「もちろん」と迷いなく頷いてくれた。
「まあ、そのためには、まず風邪治してくれよ」
「……頑張ります」
美弥が弱々しくサムズアップすると、与崎は少年のような顔で笑った。
顔が熱いのは、やっぱり風邪のせいだと思う。
……でもこの動悸はなんだろう。
なんか、ドキドキする。