落ちこぼれ悪魔の扱い方

机が揺れる。

地震かと思ったが、揺れているのは与崎の方だった。

机に置いた手が病的に震えたまま、止まらない。


俺が、殺した……?


「まあ、気にすることはない。不慮の事故だ」

12は軽く流すと、「それより、会ってもらいたい人がいるんだ」と話題を変えた。


「入ってきていいぞ」


12が扉に向かって叫ぶと、ガチャッと音がして扉が開いた。


一列をなして入ってきたのは、十人ほどの悪魔だった。

男も女もいるが、誰一人としてベールは付けていない。


その中に見知った顔を見つけ、与崎は震える口を開く。


「高坂、灰田……」


与崎の声を聞くと、灰田は目元を緩めて頷いた。

「いやー、本当ありがとうございました。ひとみ先輩」

緊張感ゼロで言う灰田とは違い、高坂は口を引き結んで与崎を見ている。

その目には、涙が一杯に溜まっていた。


「高……」

与崎が言い終わる前に、高坂は与崎に勢いよく抱きついてきた。


「ありがとう、ありがとう。ひとみ君、本当にありがとう!」

同じような言葉を繰り返しながら、高坂は与崎の胴に回している手に力を込める。
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