『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!



「そうそう、その調子ですわ。体重を前にかけると、もっと安定しますわよ!」

「うるっさい! わかってるわよ!」

「おかあさま、ぼくもうはやく、はしれるよ」

「ゆっくりですわよ、ゆっくり!」

 今日は乗馬のお稽古だ。
 まだフラフラと不安定に乗っている双子に、キャロラインは熱心にアドバイスをしてた。レックスは喜んで練習をして、ロレッタは最初はぶーぶーと文句を言っていた。
 でも、継母の言う通りに身体を動かすと不思議と上達していくので、今は渋々従っている。

(ほとんどの授業が遅れているから心配だったけど、この調子だと大丈夫そうですわね)

 一生懸命に乗馬の練習をする子供たちの姿に、キャロラインは自然と目を細める。
 双子は公爵家の子息にしては、勉強があまり進んでいないことが気がかりだった。

 二人に何か問題でもあるのかと心配していたが、ただ単にサボったり、サボったり、サボってばかりで遅れているだけのようだった。

 そこで、前世で教師を目指していた彼女はカリキュラムを見直した。基本的にはそれぞれの性格に合わせて作成して、時間があれば彼女自身も授業に付き合った。

 純真でまっさらな子供は、何でもぐんぐんと吸収する。二人ともこの一ヶ月で、見違えるほどに逞しくなった。

「二人とも頑張って! 授業が終わったら、わたくしからプレゼントがありますわよ〜」

 抜け目がない双子は、プレゼントという単語に瞳を輝かせた。

「なぁに? なぁに? チョコレート?」

「チョコレートケーキならもらってやってもいいわ」

「ふふふ。それは後でのお楽しみですわ。着替えたらわたくしのお部屋へいらっしゃい」

「はぁ〜いっ!」

「いま、わたしなさいよ!」


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