『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!


「まだまだですわよ、旦那様っ!」

 感傷に浸っていたハロルドは、妻の大声に弾くように顔を上げる。

「何がだ?」

「今日はボールが2つでしたが、まだまだ行けますわぁっ! 次は3つに挑戦しましょう! 旦那様なら5つくらいは余裕で回せるはずですっ!」

「わぁ〜っ! ぼくも、おとうさまの、かさまわしをもっと見たい!」

「おとうさまなら、ぜったいにできるわ!」

 いつの間にかレックスとロレッタもやって来ていて、キラキラと瞳を輝かせながら父を見上げている。

「そうか、そうか」

 久し振りに子供たちに甘えられたハロルドは上機嫌だった。
 この日から、こっそりと傘回しの練習をしている公爵の姿があったとかなかったとか。

 
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