『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!
◇
「あっ、おかあさまだ!」
レックスとロレッタが庭を散歩していると、ガゼボで継母が優雅にお茶を飲んでいたところに出くわした。
「おかあさま、あそ――わあっ!」
継母のもとへ近寄ろうとする弟の首根っこを、姉がぐいっと強く引っ張る。
「おねえさま、なにするの!」
「あの女にちかづいちゃダメ!」
ロレッタはギロリと弟を睨み付けて牽制する。
楽しいお茶会のあと、彼女も危うくキャロラインに絆されかけた。しかし、帰宅してから乳母のバーバラに継母がいかに悪い女なのか延々と聞かされて、やっと我に返ったのだ。
危なかった。あのままでは、継母の毒牙にやられるところだった。やっぱり、自分たちが赤ちゃんの頃から育ててくれているバーバラの言うことが正しいのだ。
……と、彼女はそう信じた。