『あなたを愛することはございません』と申し上げましたが、家族愛は不滅ですわ!





「あっ、おかあさまだ!」

 レックスとロレッタが庭を散歩していると、ガゼボで継母(キャロライン)が優雅にお茶を飲んでいたところに出くわした。

「おかあさま、あそ――わあっ!」

 継母のもとへ近寄ろうとする弟の首根っこを、姉がぐいっと強く引っ張る。

「おねえさま、なにするの!」

「あの女にちかづいちゃダメ!」

 ロレッタはギロリと弟を睨み付けて牽制する。
 楽しいお茶会のあと、彼女も危うくキャロラインに絆されかけた。しかし、帰宅してから乳母のバーバラに継母がいかに悪い女なのか延々と聞かされて、やっと我に返ったのだ。

 危なかった。あのままでは、継母の毒牙にやられるところだった。やっぱり、自分たちが赤ちゃんの頃から育ててくれているバーバラの言うことが正しいのだ。
 ……と、彼女はそう信じた。
< 44 / 132 >

この作品をシェア

pagetop