それらすべてが愛になる
 清流が出て行った後のドアを見ながら、舞原は純粋に驚いていた。

 配属されてきたときは、あんなにほわっとした子がやっていけるのかと思ったけれど、意外と根性はあるし肝も据わっている。

 けれどまさか、部長に堂々と啖呵を切れるほどとは思わなかった。

 「今のは清流ちゃんが正しいと思う人、挙手~」

 「はーい」

 未知夏の声に手を挙げた舞原が隣りを見ると、目線はパソコン画面のまま唯崎もしっかり手を挙げていた。このノリに合わせてくる唯崎というのは、なかなかレアだ。舞原は二重で驚く。

 「はい、三対一で加賀城くんの有罪確定」

 「有罪ってなんだ…」

 「年下の子にたじたじになっちゃって、すっかり形無しね」

 茶化す未知夏を睨めつけるが、さすがに洸とは長い付き合いなだけあってまったく動じる様子もない。むしろさらにやり込めてしまうのだから、榊木未知夏という人も十分に手強い人だと思う。

 「あのー、部長って清流ちゃんとどうやって知り合ったんですか?」 

 空気が緩んだ隙に便乗して、舞原は今まで人知れず持っていた疑問をぶつける。

 「前に言わなかったか、いつもの人材紹介からの斡旋で、」

 「経営学部出身で、こっちの欲しい人材ともスキルがマッチしていたからっすよね?」

 それは洸が清流の入社に際して用意したストーリーだとは、本人以外は知るよしもない。

 「それは聞きましたけど、それだけですか?」

 話が見えず訝しむ洸を無視して、舞原は続ける。

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