それらすべてが愛になる
 その後は、泊まったホテル近くを散策した。

 街はストリートフードが充実していて、中にモッツァレラチーズが入ったコロッケや、クレープのような三角形の形をしたピザなどをテイクアウトして公園で食べていると、あっという間に夕暮れになる。

 その日はホテルに一泊し、翌日の夕方にはまた飛行機に乗る。慌ただしいスケジュールだと自分でおかしくなりながらも、これで全部を思い出に昇華して気持ちを切り替えられるような気がした。


 帰りの飛行機の中ではあまり眠れず、清流は窓の外を見ながらこれからのことを考えていた。

 実家に戻ることはしばらく考えられないけれど、ビジネスホテル暮らしもお金がかかる。賃貸アパートを探してみても、今の自分のような状態で借りられるか分からない。

 ウィークリーマンションだと即日入居できる物件もあるようなので、数日はネットカフェに泊まってウィークリーマンションに申し込み、決まったらバイトをしてお金を貯めつつどこか正社員か派遣に応募してみようか。

 (バイトは、飲食系のキッチンで四年近く働いていたし他の経験がないから、とりあえず飲食メインでいくつか応募してみよう)

 そして十二時間ほどのフライトを経て、清流は日本に帰国した。


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