それらすべてが愛になる
 部屋の片付けがひと段落して時計を確認すると、もう午後六時を少し過ぎていた。

 送る荷物は厳選したつもりだったけれど、一箱ずつ片付けていくとかなりの量で、思ったよりも時間がかかってしまった。

 部屋を出てみると、仕事部屋の明かりが付いているのがドア下の隙間から分かった。
 夕方には終わると言っていたものの、あれから洸が部屋から出てくる様子はまだなさそうだ。

 (もうそろそろ夕飯の時間だよね、どうしよう)

 家にいるときの習慣で献立を考えようと頭を巡らせる。
 何か作ろうか?でも人の家のキッチンを勝手に触るのはと考えるも、今日から自分が住む家でもあるのかと思い返して不思議な気持ちになる。

 「とりあえず、何か作れる材料があるかだけでも確かめてみよ」

 失礼しまーすと小声で言ってから、ステンレスの冷蔵庫を開ける。

 「うわぁ、…シンプル」

 アメリカの家にあるような大型冷蔵庫の中は、その大きさに反してほとんど何もない。ミネラルウォーターと牛乳、醤油や味噌などの調味料類が少し。食材といえそうなのは卵とウィンナーくらいだ。

 (使いかけのケチャップがある。賞味期限は…大丈夫そう。野菜室に玉ねぎがあるし、オムライスとかなら作れそうかな)

 チキンライスではないけれどそこは我慢してもらうとして、オムライスなら仕事が長引いてもレンジで温め直してもらえるしちょうどいい気がする。

 パントリーを覗くと、お米と食パン、パスタといった主食系が常備されていた。お米を一合取ってから軽く研いで、炊飯器をセットする。

 (さてと、包丁とフライパンはどこかなー?)

 作るものが決まったからかこの広いキッチンを使えるからか、清流は少しうきうきしながら、戸棚の扉を開けて必要な物を探していった。

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