それらすべてが愛になる
 あちこちの戸棚を開けて見つけたまな板と包丁で、玉ねぎとウィンナーを切ってからフライパンで炒める。

 (下味をつけたらお皿に移して、ごはんが炊けるまで冷ましておいてっと)

 ごはんが炊けたら具材とともにフライパンへ投入。ケチャップを入れて水分を飛ばしながら炒め合わせる。

 (そういえばオムライスはどっちで作ろう?巻いた方がいい?オムレツを乗せるふわとろ系?)

 洸の好みなどまったく分からない。
 というより、そもそもオムライスが好きなのかも分からないのだけれども。

 とりあえず一つずつ両方作っておいて、一緒のタイミングで食べられればそのときに好きな方を選んでもらうことにする。

 そう決めて、ボウルに卵と牛乳を入れてかき混ぜてから、もう一つのフライパンでバターを溶かすと卵液を半分流し込む。半熟になったらケチャップライスを入れて火を止めて、卵を包んでいく。

 どれだけ探してもフライ返しが見つからず、仕方なく菜箸で格闘しながら一つ目が完成する。

 そのとき、ガチャ、とリビングドアが開く音がして、仕事を終えた洸が入ってきた。


 「あ、お疲れ様です。お仕事終わりですか?」

 キッチンに立つ清流を見て、洸は少し驚いている。

 「あぁ、今終わった。何、もしかして夕飯作ってくれてるのか?」

 「すみません、勝手にキッチンお借りしちゃって」

 「いや、それは全然いいけど」

 そう言いながら、コンロの前に立つ清流の隣りに並ぶと手元を覗き込む。

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