ChristmasLight*
フラフラと商店街をくぐり、広場に出る。
クリスマス当日という事もあり今までより豪華な飾り付けが伺えるが、まだライトアップはされていない。
「確か6時からだよね……」
腕時計を見て確認すると、まだ少し時間がある。
この日、このイルミネーションを、誰かと二人で見る筈だった。
……いや、弘人と……
弘人と、並んで見たかった。
明かりの無い暗闇のツリーは、巨大な化け物の様に思えた。
「おねーさんっどうしたのぼーっとしちゃって!」
背後の声に思わず振り返る。
「一人でツリー見上げちゃて……もしかして今日、フリーなの?」
二人組の男がそこに居た。
「っ!」
踵を返して場を離れようとしたが、強く腕を掴まれる。
「待って待って、俺らさ、今日この街来たばっかなんだよね」
「遊べるとこ教えて欲しいんだけどー」
目を合わせたくなくて必死に逸らす。
「ね、ほんとちょっとだけだから!」
「この辺ぐるっと案内だけ!それならいーだろ?」
こんな人の目のあるところでこんな人達に絡まれるとは思わなかった。
「おねーさんの彼氏が来るまででいぃからさ〜」
腕はまだ掴まれたまま。