ChristmasLight*
(ぅわ……白髪だ)
ついつい見入る。
プラチナブロンドとかそういう域ではない。
ツリーのライトに照らされたその子の髪は真っ白だった。
(あれだけ色抜いたら髪バサバサでしょうに……最近の若い子は派手ね〜)
などとおばちゃん染みた事を考える。
でも……
「……」
なんだか、とても綺麗に見えた。
ツリーの電飾の色に合わせて髪の色が変わっていく。
飾らないシンプルな服装を身につけていて、それらの色合いといい髪といい、どこか儚さを感じる子だ。
(なんか、天使みたい)
と、一人幻想的な事を思っていたら
「!」
しっかりと目が合ってしまった。
(やばっ)
さっと目を逸らしたけど、見てたのはバレバレだと思う。
と。
この男の子がさっきからここに居たのなら、あたしと弘人のやり取りを見られていた事になる。
(うわ、それは恥ずかしい……)
その場をすぐに立ち去るのも不自然な気がして、あたしはベンチで小さくなった。
「……あの」
「……」
声を。
声を掛けられた。
恐る恐る振り返ると、やはり白髪の少年が自分を見下ろしている。
そして
「……すみません、ティッシュかなんか……持ってないすか?」
鼻頭を隠しながら、少年は訊ねてきた。