ChristmasLight*
それからあたしはなんだか居づらくなって、そのまま一人で帰った。
少年が誰を待っていたのかは分からず終い。
やっぱり彼女だろうか。
あたしは、これから彼氏を作る気にはなれなかった。
今年も一人のクリスマス。
それを受け入れる気になったのは……
白い少年と話したからかもしれない。
クリスマスは誰かと、なんて幼稚なわがままを削いでくれた様な気がした。
「いつかのCMでもやってたもんね〜、クリスマスは一人コーラで乾杯〜〜」
「えっちょっとあんた!まさか杉山君と別れたの?」
向かいのデスクから同僚が顔を出した。
あの合コンでカップルを成立させた元同志である。
「うん、フラれちゃった」
「なんでー!?まともに仲良かったじゃない!」
まともに。
そう言われるとそうだと思う。
あたし達は普通にカップルだった。
別のカップルはその日にホテル行ったとか公園でとか、なのにメールも一日一回とか、平日会うの面倒だけどクリスマスはディズニーのホテル予約したとか……
聞く限りあたしでも、かなり破茶滅茶じゃないか…と思う程だった。
そういうあたし達は実はキスもしていない。
先日それをこの目の前の同僚に言うと目玉が飛び出す程驚かれたっけ。
この原因はあたしじゃなく、弘人が単に奥手……というか、今時珍しく硬派だったからだと思うんだけど。