ChristmasLight*
それでもあたしは物足り無くはなかった。
弘人は真面目で女の子に不器用で、更にぶっきら棒な性格だったけど、上手くあたしと話が噛み合って……
飾らない感じが良かったんだ。
弘人と話してるだけで
一緒に食事してるだけで楽しかったから。
「ちょっちょっと、どうしたの!」
「え?」
同僚に言われて顔を上げる。
「ほら拭きなって!資料濡れるよっ」
ポタポタと落ちる水。
「あれ……?」
気付けば、あたしは泣いていた。
「あ……」
なんで今更。
昨日は普通に、あの後も笑えてたのに……
おかしいな。
「……おかしいよ……あたし」
同僚に借りたハンカチで顔を押さえ、あたしは仕事場を抜け出た。
女子トイレに入ってそれからも、あたしは暫く泣き続けていた。