エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
 そっと顔が近づいて唇が重なった。柔らかく重ねられた唇が角度を変えて何度も重なり、五十里の舌が優しく莉桜の唇をノックする。
 どきどきとしながら緩く唇を開くと、口の中に侵入してきて柔らかく甘く絡む。背中を甘い電流が走ってとろとろと融けてしまいそうだ。

 優しいけれど、情熱的なキスはだんだん激しくなっていく。五十里のキスはいつも官能的なのだ。
 莉桜は息をするのもままならなくて、ぎゅっと五十里のジャケットを掴んだ。
 くすりと笑った五十里はジャケットを脱ぎ、ぽいっとベッドの上から投げてしまう。私服の黒いシャツの襟元を片手で緩めた。

 普段仕事の時は襟元を崩すことなどない五十里の首筋から鎖骨へのラインが露わになる。
 男性的なその首元はとてもセクシーでそれを目にするだけでも莉桜は胸の鼓動が大きくなるのを抑えることができなかった。

「もう我慢しなくていいな?」
「我慢、ですか?」
「昼間は勘弁すると言っただろう。もう、逃がさない」
 その腕の中に囚われることは莉桜にとっても胸がときめくことだった。

「逃がさないで……」
 消えそうな莉桜の声は静かな寝室できちんと五十里の耳に届いていたらしい。
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