嘘も愛して





「俺を王とし、従え。異論は?」



 圧巻の貫禄に、まるで新しく命をふきこまれたかのように、彼らも意気揚々と応える。

「ないです!」「いいねぇ面白くなってきたぁ」「そういうの待ってたぜ!」

 いるみさん、研真、音海さんがそれぞれ気持ちの昂りを見せた。上手く乗り切れていない、百道くんに王様の視線が注がれる。


「百道、てめぇも文句ねぇな?」

「お?俺のこともう知ってんだ」

「俺のために動け、俺のために捧げろ、しんで使えない駒になられるくらいならうせろ」

 傲慢で荒々しく、有無を言わせないのに繊細な言葉。百道くんが面を食らっている中、私はほくそ笑んでいた。そんな私を見やり、空周は問いかけてくる。


「仁彩。返事は?」

「……」

 はい以外の返答を許さないのに、わざわざ聞いてくるなんて。声に出して笑いが込み上げてきそう。


 ふと。

 返事をしようとした時、前と同じ視線に気づき、反射的に振り返ってしまった。

「聞かれてたみたいですね。だからどうってことないですけど」

 いるみさんは空周以外のことには強気なんだから。でも、確かにそう、どうだっていい。むしろこの結束を耳にして震え上がらればいい。


「俺たちはクソザコ皇帝を地獄に突き落とす。仁彩、あんたには餌として働いてもらうぞ」

 守ってもらう気なんてさらさらない。私たちはあくまで協定。お互いの目的のために。


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