嘘も愛して
中庭からいつもの屋上に移動してきた私は、深深と腰掛けていた。嵐の後の静けさを堪能しながら、少しずつごちゃごちゃの頭の中を整理していた。
私の昔の恋愛事情で新世代のみんなを巻き込んでしまっている事実。私は一人で勝ちたいのに、いつもみんながそばに居る。でも、私はまだ向き合うことができていない。
考えれば考えるほど、整理などほど遠かった。
深く吐息をついて、青々と澄んだ空を呆けるように眺める。
私はいつまで、現皇帝様の元カノというポジションに居続けないといけないんだろう。
いや、それだ。何が問題って、私という人間がその役しかつけられていないことに問題があるんだ。私は漸く目に力が入り、活力を取り戻す。
と、付近のドアがガチャリと開く。
「あー!いたいたぁ!お嬢さん僕のこと置いてくんだもん〜」
颯爽と現れた萌え袖少年が、潤んだ瞳で私を見つける。
そういえば何も考えずに置いていっちゃったんだ。むぎゅうとすぐ抱きついてくる。
まぁ、今回は許してあげよう。
私は研真の背に腕を回し、ポンポンっと、慰めるように叩いた。
不意に、声色が変わる。
「ねぇお嬢さん」