嘘も愛して



 恐れ知らずの肝の座った心意気。だから彼は、人を惹きつけ、目が離れなくなる光りに見えるのだろう。

 私もつられて、悪い笑みが滲む。


「文字通り地獄に落とすんだね」

「仁彩。あんたが望んでたものだろ?」

「……もう私だけの問題じゃないからね」


 悪巧みをするような視線をかわしていた私と空周。

 その隣どなりに円を描くように腰を下ろす面々。一同の顔を見やり、私は迷いのない声で伝える。


「もう、逃げない」

 スっ……と、各々の表情が柔らかくなる。


「よく言った!」

 ニカッと白い歯を見せ照らしてくれる音海さん。


「ってことは、話してもらえるんですね?ていうか話さないなんて選択肢ないですけどね」

 無表情で目を細めながら私を諭すいるみさん。みんなの目を一瞥して、私はゆっくりと重い口を開く。


「皇帝流座の筆頭、司堂楽が私を敵視するのは」

 言いかけ、失笑が込み上げる。が、そのまま続けた。


「プライドを傷つけられたから。それだけです」

 ふっ…と鼻で笑うと、あちこちで同調の声が上がる。


「はぁ?」

「くだらねぇ」


 本当に、その通り。私は一つ一つ、落ち着いて話を進めた。



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