嘘も愛して
「プライドが高い人なんです。向こうの中では、私が浮気をしていた上に逆上してふったって言いふらしてることになってます。自分は裏切られた、あの女が言ってることは全部嘘だって」
誰にも、言わなかったことを口にし、涙腺が緩んでしまう。また下を、向きそうになる。だけど。
「本当は?」
そんなことは許さない、王様に視線を吸い取られる。私は罰が悪そうに答える。
「……私たちは別れた後も連絡をとってたんです」
「はぁ?」
予想通りの反応。鋭い目つきに、目が泳いでしまう。
「……彼が心配だったから」
「……」
空周が理解できないが噛み付くことも出来ない顔つきをする。
「お嬢さん……」
研真も、誰も口出しをしてこなかった。
理解してもらおうとは思わない。
みんなが、私のことを知ろうとしてくれてる。
なら、向き合って話すことが、今の私にできること。すぅっと深く息を吸い込み、ゆっくりとまた話を続けた。
「彼を支えてくれる、別の人ができるまでほっとけなかった。そんな時に、彼と一回会ったんです。
でも、会話の節々に彼は嘘ばかり言うから、もう、信じれなくなって、私は菊池という女の子とコンタクトをとったんです。
もう、ほぼ確証を得ていたのに、聞くまで信じれない自分がいて。
結果、彼女は司堂楽と付き合ってると言ってました。そんな中、彼は私、元カノと会っていた。
私を組織のために利用するのではなく、自分を満たしてくれる女として」
付き合っている頃から、その女の子は司堂楽と接触し、惚れ込んでいたことは分かっていた。
その時から、私は嘘をつかれていたのだ。
確かに愛してもらっている自覚はあった。
だけど、彼はそれ以上に、欲深く、私を支配しようとした。