嘘も愛して



「…」

 ムッとして私はそっぽを向いた。けれど、気持ちは明らかに沈んでいて。

 言い返す気にもならない。

 彼関連のことになると、上手く気持ちがまとめられず、何が正しいのか間違っているのかさえ、あやふやになってしまう。



 気弱そうにしょげていると、ふと、鋭く眼光が眩く。吸い寄せられるように、澄んだ栗色の瞳を見つめる。

 彼は、空周は、不服そうに目元をピクつかせた。


「あ?いつも俺につっかかってくる威勢はどこいったんだよ、女々しいやつめ」

「む…一応女なんですけど?」


 どこまでも失礼な人。唇をキュッと結んだ私はまた、空周から顔を背ける。

 そんな様子に、爽やかなよく通る声が高らかにかかる。


「保泉!元気出せ!俺たちがいるんだ!結構このメンツ、強いと思うぜ〜?」

 それを皮切りに、メンバーが立ち上がる。


「うん。なんか俺もムカついてきた。やっちゃおうよ」

 意外にも百道くんが目に力を宿し、野心を灯している。


「お嬢さん傷つけたこと後悔させてやろ」

 パシッと拳を手のひらで受け止め、気合を入れる研真。


「……空周の邪魔するお馬鹿さんは懲らしめてやるのは必然です」

 乗り気がしない風だったいるみさんも便乗して立ち上がる。面々を見やり、口角を上げるリーダーもゆらりと立ち上がった。




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