ハイスペ上司の好きなひと
「若い子と恋バナだなんて照れるなあ。私の話なんてなんの面白味も無いよ」
そう言う藤宮に「良いんです」と念を押せば、彼女は電子レンジの中の弁当を見つめながら話し始めた。
「元々幼馴染なんだ、私と瑞希くん…あ、旦那さんね。だからいつから好きかって聞かれると難しいけど、昔からずっと大切な子だったの」
「幼馴染…ですか」
「まあ途中長い間会ってなかったんだけどね。再会して、色々あるうちに胃袋掴まれちゃって、気付いたら大切が好きに変わってた感じかな」
幼馴染から恋人、遂には結婚だなんてなんてロマンチックなんだろう。
しかしあの超のつく美形が昔から側に居たとなれば、確かに耐性がついてもなにも不思議では無いなとも思った。
丁度その時レンジがチンと電子的な音を鳴らし、藤宮は中から弁当を取り出しながら言う。
「ね?特に面白くもない話でしょ?」
「いえ。すごく素敵だなと思いました。失礼ついでですが…もしかして藤宮さんが支社から先に帰ったのも旦那さんの為ですか?」
「そうだよ。3年だけ待ってやるって言われたから死ぬ物狂いで頑張って帰ってきたの」
「3年だけって…亭主関白なんですか?」
「違うと思うよ。瑞希くんが口悪いのは昔からだから」