ハイスペ上司の好きなひと
藤宮が誰に怒られてもケロリとしているのはその影響なのかと頭の端で思った。
でもこれで分かった。
何故飛鳥の恋が成就しなかったのか。
幼馴染という固い絆で結ばれてる2人の間に割って入るのは容易では無い。
藤宮が旦那の事をよく知っているように、きっと旦那の方も藤宮を大事に思っているのだろう。
彼女の息子に会いに家に行った時、あれほど整理整頓が苦手な彼女の家だと言うのに塵ひとつ落ちていない綺麗な家だった。
子供が産まれても変わる事のない弁当のクオリティは胃袋を掴まれたと言う彼女への惜しみない愛情表情。
だからこそ、諦めるしかなかった。
けれど気持ちも捨てられなかった。
今の自分のように。
「古賀さん?レンジ空いたよ」
はっと我に返れば、使わないのかと首を傾げる藤宮と目があった。
「すみません、考え事してました。使います!」
「大丈夫?顔色あんまり良くないみたいだけど…」
「大丈夫です!お腹空きすぎてボーッとしてただけなので」
「そう?ならいいけど…」
心配そうな顔をする藤宮に平気だと言い含めて先に戻ってもらった。