ハイスペ上司の好きなひと
「まあでも紫の事だから、どうせ奪ってやろうなんて気概は無いんでしょ」
「だってそんな事できっこないし…」
「あんたが自分を低く見積もってる限り一生無理なんじゃないの」
「どういう意味?」
眉を寄せながらそう聞くと、白々しい!と真由菜か頬をつねってきた。
「忘れたとは言わせないわよ!元々佐倉くんは私が狙ってた男って知ってたでしょーが!」
「いたたた!」
離してよと涙目で訴えれば真由菜はフンと鼻を鳴らして手を離した。
「忘れてはないよ!だから付き合う前に真由菜に相談したら好きにしなよって言ったじゃん」
「そんなの佐倉くんがあんたに告った時点で見切りつけただけよ。私じゃなかったら絶交してたわよ、感謝しなさい」
「ええ…すぐに別の新しい彼氏作ってたクセに」
「私は過去は振り返らない主義なの」
「今しがた根に持ってた発言したくせに…ってつねるのやめて!爪食い込んで痛いから!」
真由菜の爪はネイルこそシンプルなものの長く綺麗に整えられており本気でつねられるとなかなかにダメージがくる。
ご丁寧に両側からつねられた頬を撫でながら先程の発言の意味をもう一度尋ねると、真由菜は言葉通りだと言い放つ。