ハイスペ上司の好きなひと


真由菜がどう動くかは分からないが、少し時間をかけてきたほうがいいだろう。

そう思い少し遠くのコンビニまで足を伸ばしてみた。

その道すがら、真由菜に言われた言葉を思い返していた。


「自分を低く見積もってる限り一生無理、かあ…」


真由菜の言うことは間違ってはいないのだろうが、どれだけ考えても自分が藤宮に勝てるところが思いつかない。

そもそも自立できていない時点で、彼女と同じ土俵にすら立てていないのだから。


日が長くなったほんのり薄暗い道を歩きていると、トレンチコートのポケットに入れていたスマホが振動している事に気付いた。

画面に表示された名前に一瞬躊躇するも、無視すると後が怖いので仕方なく通話ボタンを押して耳に当てる。


「はい。なに?お母さん」


母からの電話なんてどうせその9割が父との喧嘩の愚痴か自分に対する小言なので正直面倒くさかった。

案の定、第一声から「遅い!」と文句が飛んでくる。



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