ハイスペ上司の好きなひと


『何回かけたと思ってるのよ!早く出なさい!』
「友達の所行ってたんだから仕方ないでしょ。で、要件は?」
『面倒だからってサッサと終わらそうとしてんじゃないわよ。…まあいいわ、昼に炎慈(えんじ)から連絡があって、あの子結婚するらしいからその連絡』
「炎慈がぁ?」


炎慈とは長兄の名前で、紫にとっての天敵の1人だ。

もちろん彼女がいた事も知らないし興味の欠片も無かったが、まああの男もいい年であるから結婚と聞いても別に驚きもしない。


『6月に結婚式するらしいから、あんたも予定空けときなさいよ』
「え〜結婚式するの?炎慈の為に貴重な休み空けとくの癪なんだけど…」
『妹なんだから参加は絶対!もう、あんた達はいつになったら仲良く兄妹ができるのよ』
「一生無理なんじゃない?」


ハッと鼻で笑いながら言い返し、ちょうどコンビニに着いたところで中に入りおつまみのコーナーへ足を進める。


「で、場所は?帰省しなきゃならないなら交通費寄越せって言っといてよ」
『安心なさい。式場は都内らしいから』
「じゃあお母さん達こっち来るの?」


へえ〜と生返事をしながらカゴに真由菜の好きなチータラを入れたところで、母の次の台詞に硬直した。


『そ。だからあんたの家泊まらせなさい』
「…はあ!?」


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