ハイスペ上司の好きなひと


そう言いながら、丁度いい機会だと紫は改めて飛鳥に向かって頭を下げた。


「半年間、家を間借りさせていただいてありがとうございました。本当に感謝してます」
「頭を上げてくれ。そんな大層な事してないから」
「大層な事です!飛鳥さんのおかげで私は半年も安心して暮らせたんです。どれだけ感謝しても足りないくらいです!」


だからお礼をしたいので何か考えておいてくださいと付け加えれば、案の定断られはしたがこればかりは引くつもりは無い。

多分何度か押し通せば折れてくれるだろう。

その件はまた日を改めて詰めることにして、今は差し迫った引っ越しの件に話を切り替えた。


「それでですね…此処に持ってきてるものについては小分けにして持って行こうと思ってて。なので何度か出入りする事になってしまうんですが、大丈夫ですか?」


衣装ケースは処分するしか無いが、キャリーケースを使えば何度か往復するくらいで運べるだろう。

その分出入りが激しく迷惑をかけてしまうだろうが、1人でやるにはこれが限界だ。

そう尋ねると、飛鳥がさも当然のような口調で言い放った。


「俺も手伝う」
「え?」



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