ハイスペ上司の好きなひと


手を振って見送り、ドアが閉まるのを確認してゆっくりと手を下ろした。

短いため息を吐いて鍵を閉めて踵を返し、まだ整理しきっていない部屋に戻り搬入して剥き出しになったままのマットレスへ腰かける。

1人きりの部屋は久しぶりだ。

これまで不自由は無かったけれど、共同生活ともあり気を使う事は多かった。

けれど今日からは1人で、みっともない格好で部屋を歩こうが料理とも呼べない料理を食そうが誰からも何も思われない。

寂しいのに安心する、なんとも言えない気分だ。


そんな事を考えながらそのまま倒れるように横になれば、緊張が解けたのと疲れも相まってその日はそのまま眠ってしまった。

こうして突然始まった居候生活は幕を閉じ、本来送るはずだった一人暮らしがまた始まった。




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