ハイスペ上司の好きなひと


月曜日の朝、いつも通りの時間にアラームをかけて覚醒しきっていない頭で冷凍ご飯を電子レンジに入れて解凍しているときに完全に目が覚めた。

そういえば今日は弁当は不要だった。

かといって今更あたためを止めたところで無意味なので、もうこれは朝食にしてしまおうと頭を切り替えた。

憧れの独立洗面台でスキンケアを施しメイクまで終え、解凍したご飯を卵かけご飯にしてサッと食して服を選ぶ。

デートではない。断じて。

だからいつものパンツスタイルにしようと思ったのに、気づいた時には真由菜からお下がりでもらった細身のスカートを選んでいた。

ぐぬ…と声にならない唸り声を上げて淡い色合いのリブニットの半袖を重ねてオフィスでも浮かない程度にまとめ、これならばと納得させて家を出た。


今度の家は乗り換えが必要なので居候していた頃よりは早めに出ないといけないが、以前のように睡眠不足では無いせいかそれほど辛いとは感じなかった。

そうしてGW後半ごろからぐんと気温が上がり見え始めた夏の気配にうんざりとしたものを感じながら会社のエントランスに入り、IDカードを通してフロア行きのエレベーターを待っていれば、急に背中を軽く叩かれた。


< 142 / 244 >

この作品をシェア

pagetop