ハイスペ上司の好きなひと


「快適です。周りの住人が良識のある人たちで助かってます」
「世間一般じゃそれが普通なんだがな」
「おっしゃる通りで。…けど今思えば、舐められてただけだったんでしょうね」
「どういう意味だ?」
「私は女で、見るからに非力じゃないですか」


別に自慢でもなんでもないが、自分の体型が痩せ型に分類されるレベルで痩せている自覚はある。

身長は平均と呼ばれる高さはあるが、体重に関しては一般的な数値を下回っている。

そんな訳でなんの貫禄もない、怒らせたとて別に困らないと思われていたとすれば、あれだけ迷惑をかけられてなお詫びの一つもないのも納得はいかないが理解はできる。


「二度と会う事も無いだろうし良いんですけど、他に何かやりようがあったのかなって思います」
「いや…非力だって分かってるなら関わっていくなよ」
「ですよね。すみません、負けたくないって思うのはもう性なもので」
「例のお兄さんか」
「はい。飛鳥さんみたいな方が兄だったら、もう少し可愛げのある女に成長してたかもしれませんね」


それはそれでカッコ良すぎる兄にブラコンを拗らせそうな気がしなくもないが。

けれどただの兄だったら、こんなに心乱される事もきっとなかったのだろう。



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