ハイスペ上司の好きなひと
「課長に捕まってて遅れた。悪い」
「聞いていたので大丈夫です。休憩に間に合って良かったです」
待っていた方が良かったですかと聞けば、予想通り飛鳥は首を横に振った。
「古賀が食い損ねたら悪いから待たなくていい」
そう言い、運ばれてきたお冷を一気飲みして店員の女性にサバ味噌定食と告げた。
紫も今日は前回とは違うチキン南蛮定食を白米を小盛りで頼み、飛鳥に向き直る。
「午前中から大忙しでしたね」
「ああ。午後も外出の予定が入ったから食ったら直行する」
「無理に今日でなくても良かったですよ?」
「古賀と話したかったから」
「え…」
不意打ちで驚いたが、誤解してはダメだと自分を諌める。
そこに深い意味など無い。ある訳がない。
変わらず藤宮が忘れられないと、飛鳥本人の口から言っていたのだから。