ハイスペ上司の好きなひと
「今朝の話、俺が兄だったらって話だが」
「え、あ、はい」
「もしそうなら、俺はとんでもなくシスコンになってただろうな」
「……」
それは一体どういう意味なのだろうか。
自分の事は妹としてしか意識出来ないと、暗に言われているのだろうか。
胸にナイフでも突き立てられたかのような痛みが走り、テーブルの下でグッと両手を握り締めた。
「そう、かもしれませんね…引越しの時も、沢山条件出されましたし」
泣きたくなる気持ちを必死で隠しながら、何か言わねばと思ってそう言った。
妹だと思われていたなら、これまでの飛鳥の行動も辻褄が合う。
ルームシェアを持ちかけたのも、時折見せる優しげな表情も。
やはり自分は土俵にすら立たせてもらえないのか、そう思うと胸が引き裂かれるようだった。
「私…そんなに頼りないですかね」
「頼りない、というか…」
飛鳥と形の良いアーモンドアイと視線が合い、どきりと勝手に心臓が高鳴る。
「守ってやりたくなる雰囲気はあるな」
「……」