ハイスペ上司の好きなひと
その数日後の事だった。
本来の業務に藤宮から依頼されるヘルプ業務も加わって以前にも増して忙しくしていた紫は少し遅めの休憩に入った。
頭の使いすぎで脳内の血糖値が著しく下がったせいか、フラフラとしながらお手洗いに入ればかつて自分を囲んできた女子社員達とエンカウントしてしまった。
彼女達はこちらを一瞥するとお疲れ〜と軽く声をかけ、それまでしていた会話を再開した。
「…でさあ、飛鳥さん最近ちょっとピリピリしてるなって思わない?」
その名前を無意識に拾ってしまう自分にいい加減嫌気がさしてくるが、勝手に耳に入ってくるものを拒みようがない。
無言で個室に入れば、女性社員達は構わず話を続ける。
「そうかなぁ…でもそれは仕方ないんじゃない?例の新人があれだけのことやらかして飛んだんだから」
「そーそー。こんな事言いたくは無いけどさぁ…正直、支社に行ってくれて助かったわ」
「あの子私ら女性社員に当たりキツかったもんね。そのくせちょっと注意したら泣いて同情買おうとするし…ほんとやりにくかったわ」