ハイスペ上司の好きなひと


酔いの回る頭でもなけなしの理性は働いていたが、それもいよいよ消えかけていた。

そんな中言われた家と知り合いという単語でなんとか結びつく人物を思い浮かべる。


「いる…飛鳥さんが、しってる」
「アスカ?その人に連絡取れる?」
「でんわする」


完全に回ってない頭でスマホを取り出していると、紫達の会話が耳に入ってくる。


「アスカって誰?」
「私も知らない。多分、会社の人じゃないかな」
「まあこの状態の紫ちゃん1人で帰らせられないし。その人には申し訳ないけどお願いできそうなら迎えに来てもらおうぜ」


迎えに来てもらう、その言葉を頭に入れながら名前を見つけて通話ボタンを押せば、少しのコール音の後に大好きな声が聞こえた。


『……古賀…?』


飛鳥さんの声だ。

そう思うと途端に安心と胸の痛みが襲ってきた。


「飛鳥さん…たすけてください」
『は?助けるって…何があった』


どこか焦ったような声になんでだろう?と思いながら続けた。


「わたし、家…帰れなくて、むかえに来てくれませんか?」
『帰れないって…一体どうした?いやいい、すぐ行くから今居る場所教えろ』
「えと…」


店の名前を告げたところでぷつりと意識が途切れ、目の前のテーブルに突っ伏してしまった。

真由菜達の慌てた声がしたがどうしても眠気に勝てず、また落ちるように眠ってしまった。



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