ハイスペ上司の好きなひと
紫の放った言葉に飛鳥がばっと顔を上げた。
「もう一度、飛鳥さんを好きになります。今度は私の気持ち…受け取っていただけますか?」
微笑んだのは、心からの気持ちだった。
すると飛鳥は言葉よりも早く手を引き抱きすくめ、耳元で何度も謝罪と御礼を繰り返した。
「古賀、好きだ」
「…はい。私もです」
そっと飛鳥の背に手を回せば、痛いほどに強く抱きしめられた。
その痛みがこれが夢でなく現実である事を物語っていて、辛いと感じる事はなかった。
幸せな痛みがこの世に存在するのだと、初めて知った。
どれほどの時間をそうしていたのだろう、どちらともなく体が離れれば、飛鳥の端正な顔がゆっくりと近づいてきた。
考えるより先に目を閉じて、紫はそれを受け入れた。
触れるだけのキスは短く、一度離れては恥ずかしさでつい視線を落としてしまった。
けれど再び重ねられた唇は深く、あっという間に舌が捩じ込まれ自分のそれを絡みとる。
「んっ…」
勝手に漏れ出た声に恥ずかしさを感じる間も無く、飛鳥は何度も角度を変え紫とのキスを堪能する。
紫の華奢な身体を抱きすくめ、頭を支えながらゆっくりと床に倒せば彼女の艶やかな黒髪がフローリングに広がった。