ハイスペ上司の好きなひと


「ちょっと強引に押せば直ぐに真っ赤になるところは、最高に可愛い」
「っ…!」


そう言って触れるだけのキスをされ、完全に飛鳥のペースに踊らされている事に若干の悔しさを感じる。


「じゃあ…そんな小悪魔から、お願いです」


紫はスッと手を伸ばし、目の前の愛しい男の首に腕を絡ませた。

そして真っ直ぐに目を見つめ、妖艶に笑って見せた。


「これからは他の誰も見ないで。私だけ愛して」


言った後に酷く恥ずかしくなり誤魔化すように下唇を突き出したけれど、意外な事に自分以上に飛鳥が真っ赤になっていた。

その顔に驚いてぽかんとすれば、飛鳥は力無く顔を首元に埋めてきた。


「可愛い過ぎる。ほんといい加減にしてくれ…」


そう言うと飛鳥は唇を耳の裏から胸元へと這わせ、ギリギリ見えるか見えないかの位置に赤い華を咲かせた。




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