ハイスペ上司の好きなひと



「最初に話した通り、俺はこれから最低でも半年は支社とこっちを行き来しなきゃならない」
「はい。そうでしたね」
「今までは無理を言ってこっちに居たが、早速再来週からも2週間はあちらに滞在するし、今後は自宅を空けることが多くなる。…そこで古賀さん、ルームシェアという形で俺の家に来ないか?」
「え…」


もちろん無理にとは言わない、と飛鳥は付け加えた。


「たかが隣人の諍い如きで頑張ってくれてる君の能力が落ちるのは俺も望むところじゃない。純粋な善意で受け取ってくれると嬉しい」
「!と、当然です!…けど、いいんですか?よく知らない女を自宅に上げて…」
「1ヶ月とはいえ古賀さんの人となりは見てきたつもりだ。それに部屋は余ってるからそちらで過ごしてもらえば問題無い」
「でも…大家さんへの説明も必要でしょうし…何より私、そこまでしていただいても家賃が払えません」
「それもクリアだ。不動産の持ち主は俺の姉の旦那で、俺も家賃を融通してもらっている立場だからな」


事情を話せば大丈夫だろうと飛鳥は言う。




< 22 / 244 >

この作品をシェア

pagetop